ウィリアムヒルの変化に注目
2023年2月、ゲーミング業界のカンファレンス出席にあたってロンドンを訪れ、ウィリアムヒルのマネージャーとミーティングや食事をしました。ミーティングの席では昨年の振り返りや今後のプランをうかがい、食事の際は、スポーツバーにてFAカップの試合を観ながらベット対決を開催。昨年に続き2回目の勝負です(笑)
このページではその記録を綴っています。ウィリアムヒルを利用中のプレイヤーは最新情報のチェックと、勝負の顛末をお楽しみください!
ウィリアムヒルのマネージャーとパブでベット対決!【第2回】
今回はスケジュールの都合で、ミーティングよりも前にパブで食事をすることになりました。昨年4月の渡航後にアップしたブックメーカーのマネージャーはベットをするのか?という記事で触れましたとおり、ウィリアムヒルのマネージャーK氏はサッカーが好きで、自身でも結構ベットをするガチベッターです。
「食事の日は、何か試合を観ながらベットでもいかがですか?」と打診したところ、とても雰囲気の良いスポーツパブを予約していただきました。
舞台はGoldWood Sports Pub & Kitchen
ロンドン中心部からやや東、BANKという駅から徒歩3分の「GoldWood Sports Pub & Kitchen」という店が今回の舞台です。
広い店内には複数のTVモニターが掲げてあり、サッカー、競馬、クリケット、ほか様々なスポーツの配信があります。
ウィリアムヒルのマネージャーKさん、私LOB、そして今回の出張で同行しているブックメーカーファンのブクメさんやTwitterのフォロワーのれんさん、4人で乾杯。
観戦対象はFAカップ「シェフィールドvsレクサム」
この日はクラブワールドカップの準決勝の試合がありました。渡航前に「クラブW杯を観ませんか?」と伝えて店を用意いただいたのですが、数日前に店側から「クラブワールドカップの試合は放映権の関係で、パブ内のテレビでは配信されない」と返事が。
代わりに、同日同時刻のFAカップ4回戦の再試合「シェフィールド・ユナイテッドvsレクサム」は観られることで、この試合にベットすることになりました。
かつてプレミアリーグでも戦っていたシェフィールド・ユナイテッドは、現在チャンピオンシップ(イングランド2部リーグ)所属。対するレクサムはナショナルリーグ(5部相当)のアマチュアチーム。
両チームともにリーグ戦は好調で、昇格を狙える位置にいます。
プロとアマの差は歴然ですが、レクサムは地元で奮闘しました。1週間前、レクサムのホームゲームは3-3のドロー決着。両軍あわせてカード7枚、シェフィールド側に退場者も生じた荒いゲームで、86分時点ではレクサムが3-2でリードするも、一人少ないシェフィールドが後半アディショナルタイムに追いつきました。
FAカップは、試合がドローだと翌週にホーム/アウェイを入れ替えて再試合(リプレイ)がおこなわれます。それが今回の視聴対象。
格上側のホーム戦とあって、試合前のオッズは大きく開いています。
試合前に予想&ベットを仕込む
事前に両チームの注目選手や過去の戦績などを調べたものの、基本的にアンダードッグを応援したい私は、レクサムの可能性を信じて「レクサムの得点Over0.5 @1.6倍」、増強オッズの「ポール・マリンのゴール&両チーム得点&レクサムの勝利 @21倍」「ポール・マリンのゴール @3.6倍」「レクサム勝利&3ゴール以上 @12倍」など偏ったオッズを選択。
前回の試合を踏まえてレクサムも1点は決めそうだし、ゴールを決めるならチームのストライカーのポール・マリンに違いないと思ってピックアップ。
れんさんとブクメさんも私のアカウントを使用し、れんさんは特殊オッズ一覧から「両チームがカード2枚以上出る @ 8倍」をチョイス。ブクメさんはレクサム所属のスコットランド人選手「ジェームス・ジョーンズのカード@3.75倍」にベット。私も、最後にレクサムの「ルーク・ヤングのカード@3倍」を加えました。格上のホーム戦で、守る時間が長くなるため中盤の誰かにカードが出るのでは?という予想です。
上の画像のようにベットスリップに選択肢を全部入れて、まとめて賭けようとしたらエラーが生じたため、あらためて1つずつ選び直してベット。
賭け終えたので、次はKさんのターンです。
Kさんは社内の人間でウィリアムヒルのアカウントが使えないため、他社を使用しました。「コーナーキック本数Over9.5 @3.6倍」「シェフィールドのビリーシャープが前半・後半に1本以上枠内シュートを放つ @4.33倍」「シェフィールドが2点以上決める&シェフィールドがコーナーキック6本以上&レクサムがカード3枚以上 @6倍」という攻めた3つを選択。
パブはアメリカンスタイルで、フィッシュ&チップスではなくバーガーを食べながら試合展開を見守ります。
キックオフ前、「FAカップって、乱戦後の再試合は硬い展開になるイメージないですか?」とブクメさんがボソリ。
試合観戦
ブクメさんの予想どおりに試合は進み、前半は0-0。
しかし後半に入ってすぐに動きが。まずシェフィールドが先制します。この時点で、レクサム寄りの私の予想は一気に見込み薄へ…。
ところがその約10分後にレクサムがPKを獲得!
キッカーはもちろんエースのポール・マリン。豪快に決めて1-1に戻します。(正直、このPK判定はかなり怪しいものでしたが、決めてくれたので良し)
これでレクサムOver0.5とポール・マリンのゴールは的中だと大喜び!!
PKで大逆転!!??からの
さらにその数分後、再びレクサムにPKのチャンスが!!
ポール・マリンが再びボール前に向かいます。
「これで勝ち越してそのまま勝利もあるぞ!」と期待したのも束の間。
ウェールズ代表GKアダム・デイビスが完全シャットアウト。
「へっ!?」
冷静に捉えたら失敗なんてよくあることですが、厚くベットしているから思考外。(1回目のPKシーンは動画の1分15秒あたりから。2本目は1分53秒〜)写真撮影を忘れて見守っていましたので、動画でご覧ください笑
1-1の時点はレクサムがイケイケの展開だったものの、PK失敗から明らかに試合の潮目が変わりました。カードを何枚かもらいつつもシェフィールドが徐々に攻勢を強め、後半アディショナルタイムにビリー・シャープのゴールで勝ち越しに成功!
さらに、2分後にもシェフィールドがダメ押しの追加点を決めてフィニッシュ。3-1で、格上のホームが前評判どおりの勝利をおさめました。
惜しい、惜しすぎたレクサム。しかも、なぜかカードが1枚も出ていないクリーンな負け。
ベット結果発表
最後は結果のチェックです。レクサムの勝利を絡めたベット、カード絡みのベットは全敗。「レクサムOver0.5と、ポール・マリンのゴールは的中。収支はトントンか、ややマイナスだろうか」と思いながら、結果を見て驚愕。
レクサムOver0.5は的中していましたが、ポール・マリンのゴール予想@3.6倍は賭けていない……。おそらく、まとめてベットスリップに入れたあと、外して個別にベットしていく過程で忘れたのでしょう。
「そんな馬鹿な!?」
PK失敗、ベットもド忘れで収支は真っ赤っか。
一方、マネージャーのKさんは3つのベットのうち2つを当てました。
見事な予想で79ポンドプラス。日本円で約13000円ほど獲得です。おめでとうございます!!
2本目のPK獲得時点でぬか喜びした自分を恥じつつ、ロンドンのパブでFAカップを観ながらスポーツベットを楽しむという醍醐味は満喫できたので良かったと納得し、店を出ました。なお、後ろの席でスマホ片手に飲んでいた兄さんは、PK失敗時に私の何倍もエキサイトしていたので、おそらくレクサムにかなり厚く張っていたのでしょう…。
今回はそんな負け試合の様子をお届けしましたが、旅先のスポーツバーで飲みながらの観戦とベットはとても盛り上がるので、機会があればお楽しみください。
【ミーティング】ウィリアムヒルの昨年の振り返りと今後の予定
熱い夜から2日後、カンファレンス会場でのミーティングです。ウィリアムヒルの直近の状況や、今後のプランなどをうかがいました。
888ホールディングスがウィリアムヒルを買収!その影響は?
もっとも大きなトピックは、888ホールディングスによるウィリアムヒル買収の件です。
888ホールディングスは1997年創業の大手ゲーミング企業で、888スポーツ、888カジノ、888ポーカーなどを運営しています。
ウィリアムヒルは2021年に米国カジノ企業「シーザーズ」の傘下に加わりましたが、シーザーズはウィリアムヒルの米国内事業以外を手放し、888ホールディングスがその買収を提案。2022年7月に£1.95bn(日本円で約3300億円)で契約がまとまりました。現在は、888ホールディングスがウィリアムヒルの1400店近い実店舗とアメリカ以外の事業をすべて管理しています。
888ホールディングスのウェブサイトにもウィリアムヒルの名が。
今回のカンファレンス会場でも、ウィリアムヒルと共に888のロゴが掲載してありました。
「この併合による影響はありますか?」とうかがったところ、社内の組織体制に若干の変更はあったもののウィリアムヒルのブランドはそのままで、サポートチームの継続も確定しているとのことです。
VISAデビット入金復活で利用者増
この体制変化は、プレイヤーにとっては「入出金手段の柔軟化」という点でむしろメリットの方が大きいかもしれません。昨年末にVISAデビットカードの入金が復活し、利用者が増えているそうです。デビットカードを使って入金した場合は、銀行振込でも出金できます。
モバイル端末決済をテスト
さらに現在、モバイル端末決済を用いた入金のテストもおこなっているそうです。本件は続報があればサイトでご紹介します。
Jリーグのスペシャルプロモを毎月開催!
ボーナスオファーに関しては、昨年の時点で「チームの権限が増えて、積極的に出せるようになった」と話していただきました。実際、「ワールドカップで日本がグループステージを突破したら70倍!」や「入金不要ボーナス」などの新規向けオファーも、「NBAでキャッシュバック」や「競馬でノーリスクベット」などの既存プレイヤー向けのイベントも、ユニークな切り口のものが増えた印象です。
その最新が、Jリーグに関するオファーです。今シーズンはJ1で「条件を満たしたらフリーベット」というオファーを毎節用意するとのこと。しかも「参加申請するだけで、賭けなくてもOK」という前提です。アカウントを作成し、オファー発表時にプロモーションページで「申請」ボタンをクリックするだけ。
初回の条件は、「一節の試合(9試合)で、それぞれ1ゴール以上入ればクリア」というもの。月替わりで更新予定らしく、ミーティングでは「引き分け」や「ハットトリック」など、これ以外のアイディアをいくつかリクエストしました。(もしも何か案がありましたら気軽にお寄せください!)
YourOddsについている名前は誰?
これは情報というよりおまけの小話です。
ウィリアムヒルのサイトにはYourOdds(ユアオッズ:ユーザーからのリクエストで作られたオッズ)が大量に並んでいます。そのなかには、人物名がついたものがいくつか混じっています。特にサッカーのプレミアリーグやチャンピオンズリーグなどの大会では頻出します。
プレーの最中「これは誰?」と思いませんでしたか?
私自身も気になったので確認したところ、どうやらウィリアムヒルのアンバサダーらしく、イギリス国内の大手プロモーターや関係者の名前だそうです。
その一人、Nicole Holliday(ニコル・ホリデー)さんはイギリスの有名な女性リポーター。
Loved hosting the matchday show @Arsenal today. Great atmosphere, 6-0 & Gabriel Jesus hat-trick. Buzzing for this season! 😍 pic.twitter.com/i35tpMnyRb
— Nicole Holliday (@NicoleHolliday) July 30, 2022
笑顔が素敵です。マネージャーいわく「ニコル・ホリデーさんのYourOddsは滅多に当たらないごく稀に当たる」らしいのですが、今後は期待値を無視して積極的にベットしようと思います。
【恒例】昨年を振り返った赤字トピック
こちらも小話、当サイトの取材レポートでは毎年恒例のようになっている質問です。「昨年のイベントのなかで御社が赤字になった(プレイヤーが勝った)印象深いものはありますか?」とうかががったところ、やはりワールドカップの話題が挙がりました。
日本代表が番狂わせの勝利をおさめたグループステージ1試合目のドイツ戦と3試合目のスペイン戦は、応援ベットの集中のためか大きく赤字に。しかもスペインに勝った時は日本の決勝トーナメント進出も決まったため、「グループ突破予想」に賭けていたプレイヤーの払い戻しも加わってダブルパンチだったそう。
エピックオッズの交渉・増強オッズはリクエスト大募集
ウィリアムヒルでは、特定の試合にエピックオッズや増強オッズという特別に倍率が高いオッズが発表されます。
これらのオッズを日本のJリーグやプロ野球でも積極的に出してほしいと要望を投げました。Jリーグの増強オッズに関しては、リクエストを受けて発表することも可能とのことなので、当サイトでも専用フォームを設けてアイディアを形にできる仕組みを用意する予定です。
ウィリアムヒル取材レポートまとめ
いかがでしょうか?パブでのベット対決については恥ずかしい結果となりましたが、試合を観ながらベットする楽しさと興奮が伝わりましたら幸いです。
最後に改めてプレイヤーに関係する情報をまとめます。
- VISAデビットカード入金復活
- モバイル決済入金テスト中
- 増強オッズのアイディア随時募集
- YourOddsの名前はアンバサダー
- 今季はJリーグオファーを継続開催!
ブックメーカーで働くスタッフやマネージャーのなかには「自分はベットを全然しない」という方も少なくありません。しかし、ウィリアムヒルのKさんは自身もベットの悲喜を味わうガチ勢。会社が大きいだけに新しいアイディアを通すのには苦労があるようですが、今後もプレイヤーの気持ちを汲み取ったオファー開催やオッズ制作などに尽力してくれそうです。
上記リストに関する追加情報は随時ご紹介します。ウィリアムヒルとコラボした企画も開催予定のため、ご期待ください!