日本語ブックメーカーの老舗、ウィリアムヒルにとって2021年は歴史的な転換点となりそうです。
例年、年始にはロンドンの国際会議でマネージャーに直接お会いして情報を仕入れてくるのですが、2021年は新型コロナ感染拡大によって会議が中止となりました。その代わりというわけではありませんが、3月某日にオンラインでミーティングを行い今後に関する情報をいくつかいただきました。
この記事では、それらをまとめてご紹介しています。ウィリアムヒルを利用中の皆様は最新情報のチェックにお役立てください!
シーザーズに売却完了で非上場化!
まず一つ目。
昨年にニュースをご覧になってご存知の方も多いかと思いますが、ウィリアムヒルのオーナーが変わります。
2020年9月30日、米国カジノ運営大手企業のシーザーズ・エンターテイメント(Caesars Entertainment)が、William Hill社を37億米ドル(29億ポンド)で買収、両者が合意したと報じられました。
Caesars to buy William Hill for $3.7 billion in sports-betting drive
https://www.cnbc.com/2020/09/30/caesars-to-buy-william-hill-for-3point7-billion-in-sports-betting-drive.html
シーザーズ・エンターテイメント社は、ラスベガスをはじめ米国内各地でカジノホテル「シーザーズ・パレス」を運営するギャンブルオペレーター大手企業です。米国株式市場のNASDAQ上場企業(CZR)でもあります。買収額の3,700,000,000ドルは、報じられた9月30日時点の日本円換算額で約3901億6500万円です。
この大型M&Aは、アメリカのギャンブル企業がヨーロッパのオンラインギャンブル市場に進出か!?と業界内では話題となりました。2020年秋の時点で合意に至り、その後株主の協議やアメリカ、イギリス両方での法的手続きなどに時間を要し、ようやく正式にウィリアムヒルはシーザーズ傘下のブランドとなります。そしてその結果、2021年4月1日からはウィリアムヒルはロンドン証券取引所の対象銘柄から外れ、上場廃止となります。
「ウィリアムヒルはロンドン証券取引所上場企業!」という触れ込みはこれにて終了です(笑)
しかし、この上場廃止によって信頼性が損なわれるわけではありません。ウィリアムヒルの看板は何も変わらず運営はそのまま続きます。
つまりプレイヤーは一切影響ありません。
むしろこの非上場化はプラスに働きそうです。これまで上場企業であったがために、ウィリアムヒルは入出金手段の導入にかなり制限がありました。具体的には、イギリスの金融を規制する中央機関のFCA(Financial Conduct Authority:金融行動監視機構)の認可を受けた事業者しか扱えませんでした。(現在使えるエコペイズやマッチベターは認可企業)
上場廃止によってこの制限がなくなるため、今後はFCA未認可でもプレイヤーが使いやすい入出金手段を入れやすくなったようです。(ここでは具体的には言及できませんが、すでにいくつか準備されているとのこと)
少し余談ですが、ゲーミングの世界では吸収・合併は珍しい話ではありません。ウィリアムヒル自身も、2018年にMr Greenというサイトを買収していますし、南米の大手ギャンブル企業も傘下に加えています。
他には、2016年にイギリスの老舗ブックメーカーLadbrokes(ラドブロークス)が同国の有名ブランドCoral(コーラル)を買収して話題になりました。しかし、2年後には同国のさらに別のギャンブル企業GVC Holdings(現Entain社)が彼らを買収しています。
ウィリアムヒルに関しては、今回のM&Aは、概ねポジティブな変化だと思います。柔軟性がアップして一段と使いやすくなりそうなので、今後のアナウンスをお待ちください!
相撲に新たな賭けが導入!なんと「決まり手予想」
2つ目は、賭け方に関して。
ウィリアムヒルでは、2019年7月から相撲に賭けられるようになりました。
ウィリアムヒルの相撲オッズの例
これまでは取り組みごとの勝敗予想オッズのみでしたが、2021年3月場所の途中からなんと「決まり手予想オッズ」が導入されます!
具体的には「寄り切り・押し出し・引き落とし・はたき込みの4種類orそのほか」という2択のオッズです。あともう一種類「どの力士がどの決まり手で勝つか」の予想オッズ。
この2種が相撲の賭けに登場する予定です。
ウィリアムヒルにはオッズを作成する専門部署があり、そこで働く相撲の担当者(厳密には他のスポーツの分析も兼任)が頑張ってくれたのだそう。どの技で勝つのかを予想するなんて、想像するだけでもかなりおもしろそうですよね。相撲の観戦がもっと楽しめること間違いなしです。
ちなみに、相撲は一部のプレイヤーに非常に好評のようで、しかも正直なところウィリアムヒル側が赤字になる(プレイヤー全体が勝つ)ことが多いのだそう。
コロナ禍でもVIP特典あり
3つ目はVIP特典の話。
ウィリアムヒルでは、一定のプレー実績をクリアするとVIP扱いとなります。どの程度プレーすればVIPに昇格するのかは開示されていませんが、VIPは特別ボーナスや招待旅行などのプレゼントがもらえるようになります。
2020年は新型コロナの影響で渡航ができないため、招待旅行の代わりにアマゾンギフト券が一部プレイヤーにプレゼントされました。
なお2021年は、コロナが落ち着いていればEUROの特別席での観戦付き招待旅行も予定していたとのこと。UEFAとの直接の取引で得られるホスピタリティパッケージで、ラグジュアリーな雰囲気で試合観戦できるVIPシートだったようです。
世情を踏まえるとこちらの企画はおそらく流れることになりそうですが、VIP向けには今後も状況にあわせてさまざまなプレゼントが予定されています。
エコペイズ入金の2.5%キャッシュバックは再開未定。しかし代案が
4つ目はプロモーションについて。
ウィリアムヒルでは、以前「エコペイズで入金すると、入金額の2.5%をキャッシュバック!」という還元イベントを行なっていました。こちらも、コロナウィルスの影響による世界中でのスポーツイベントの中止・延期などに伴い、2020年の春頃に休止となりました。
再開の予定はありますか?とうかがったところ、答えはNoでした。まだ見込みは無いようです。しかし、これとは別の企画を検討しているという話をいただきました。詳細は当サイトでも追ってご紹介します。
PC閲覧時の2種類スポーツサイトでマーケットが違ったら?
5つ目はサイトの利用にあたっての補足です。
ウィリアムヒルのデスクトップ版(パソコン版)サイトには2種類のデザインがあります。上の画像の左側は古いサイト、右は新しいサイトです。
最近はスマホでのプレーが主流のため、デスクトップ版の古いサイトを知らない人も多いと思います。一方、昔からプレーしている利用者のなかには、旧サイトの方が使いやすいと感じている方もいらっしゃるでしょう。(私もその一人です)
新しいサイトと古いサイトではURLが異なり、それぞれ以下のとおり。
新サイト
https://sports.williamhill.com/betting/ja-jp
旧サイト
https://sports.williamhill.com/bet/ja
末尾が少し違いますよね。しかし、いま使用しているアカウントで新サイト・旧サイトどちらもログインして使えます。
本題は、この二つのサイトの中身の違いです。ごくまれに、新サイトと旧サイトでオッズの種類が異なる(旧サイトで賭けられるオッズが新サイトでは見つからない)ということがあります。
実は、ウィリアムヒルは旧サイトから新サイトへの移行期間中で、旧サイトのオッズはシステムによるほぼ自動掲載なのに対し、新サイトではまだ一部は手作業で追加しているようです。そのため、マイナースポーツや滅多に出ないマニアックな賭けは違いがあるかもしれません。(主に、優勝予想系の特殊なオッズでこの違いが生じているようです)
旧サイトの方でおもしろそうな賭けを発見し、そのあと新サイトかあるいはスマホでサイトを閲覧中に目当ての賭けが見当たらなかった場合は、一度カスタマーサポートにご連絡ください。(当サイトに連絡いただいても結構です。内容を連携します)
自宅のパソコンの旧サイトでオッズを発見したあと、外出先でモバイルで賭けようとしたのに見当たらない。そんな状況は滅多にないと思いますが(笑)、もしそうなった時のための補足でした。
ウィリアムヒル2021ミーティングレポートまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の注目トピックやはりシーザーズによる買収完了という点ですね。上場廃止で柔軟性がアップして入出金手段が追加される可能性が広がったというのは、プレイヤーには非常にありがたい話です。具体的には発表をお待ちください。
あと相撲のオッズ追加も非常に楽しみ。最近は相撲を賭けの対象とするブックメーカーは増えてきていますが、決まり手の予想オッズの提供は、信頼できるサイトのなかではおそらくウィリアムヒルが業界初。オッズ作成担当者さんに感謝です。
今後も定期的にこういった形で情報はアップしていきますので、ブックメーカーの利用や業界について理解を深める参考になれば幸いです。また、当サイトとのコラボ企画も計画しておりますので、開催時はご案内します。まだアカウントをお持ちでなければ、ウィリアムヒルの使い方解説をご覧ください。