ご存知のとおり、ブックメーカーではスポーツに賭けることができます。サッカー、テニス、野球、バスケ、アメフト、ラグビー、そのほか数多く。そして競馬やグレイハウンドなどのレース競技も。
すでにプレー中で一度でもサイトをご覧になったことがあれば、それら選択肢に混じってエンタメや政治・選挙などのカテゴリを見たことがあるかもしれません。アカデミー賞、次のジェームス・ボンド(007の主演俳優)予想、クリスマスの天気。次のアメリカ大統領選挙、イギリス首相選挙、一部のサイトでは日本の衆議院選挙も賭けられます。
これらは一定のサイクルで必ず用意されるため、スポーツ以外の賭けのなかではそこそこ一般的なもの。しかし長年プレーをしていると、これらとはまったくベクトルの異なる、まるでネタかのようなとんでもないオッズに出くわすことがあります。ネッシーはいるか、エルヴィス・プレスリーは生きているのか、UFOが飛んでくるか?宇宙人はいるか?など。
それらに匹敵する、パンチ力のあるオッズがひっそりと某サイトに並んでいました。
人類は火星に行けるのか?予想オッズ
長い前振りのわりにタイトルでほぼネタバレしています。今回ピックアップするのは「火星に行けるか」を予想するオッズ。老舗ブックメーカー「ピナクル(Pinnacle)」にて賭けることができます。
ピナクルは、スポーツベッティングの専業プロや毎月コンスタントに稼ぐようなセミプロが一番利用しています。業界でもっとも良いオッズを出す、ベット制限無し(どれだけ勝っても締め出しがない)といった特徴が魅力の、いわば玄人向けのブックメーカー。サイトも飾りっ気がないシンプルなデザインです。
そんな彼らのサイトに「火星オッズ」が並んでいるから余計にシュール。実物がこちら。
アカウントにログインし、画面の下の方の「エンターテイメント」のカテゴリにある「Space Props→フューチャー」をクリック。"宇宙"なんて選択肢があること自体がぶっ飛んでますよね。
出ました。用意されているオッズは以下の3つ。
Human to set foot on Mars by 1/1/2025
まず最初のオッズは、「Human to set foot on Mars by 1/1/2025(2025年1月1日までに、人類は火星に着陸することができるか?)」というもの。
素晴らしいロマン溢れる賭けですね。ただ、オッズを見ると
Human to set foot on Mars by 1/1/2025
はい:7.83倍
いいえ:1.061倍
"いいえ"がガチガチの低倍率。
このページを書いているのは2019年3月です。締め切りまであと5年9ヶ月ありますが、6年弱では人類に火星は遠すぎるということでしょう。地球と火星との距離は約7800万キロ。月が約38万キロなので、その205倍。地球一周が4万5千キロなので、その1733倍。そして東京-大阪間(約500km)の15万6千倍。仮に火星まで新幹線(のぞみ)で行くと44.5年かかる。そんな場所にある星。
現在の技術による宇宙船だと約5~6ヶ月で行けるようです。また、無人の場合は3日で火星に行けるような技術開発も進められているそうです。ただし、それではこのオッズの条件を達成できません。
たとえ数ヶ月で行けるとしても計画全体の遂行にはより長い期間が必要でしょうから、実際にこのオッズに賭けられる期間は締切よりもっと短いと思われます。
Organization to put human being on Mars first?
2段目にあるのは、別の切り口からの火星関連のオッズです。「Organization to put human being on Mars first?(どの企業・組織が人類を最初に火星に送るか?)」という賭け。
Organization to put human being on Mars first?
SpaceX(スペースX社) 1.303
Boeing(ボーイング) 6.080
Blue Origin(ブルー・オリジン) 4.060
U.S. Space Force(アメリカ宇宙軍) 12.600
Paypalやテスラなどでも知られる世界的に有名な実業家イーロン・マスク氏のスペースX社が本命の1.3倍。
サイト上の並び順は前後しますが、次に倍率が低いブルーオリジンはアマゾンのジェフ・ベゾス氏が設立した航空宇宙企業。4.06倍がつけられています。
3番目が世界最大の航空宇宙機器メーカーのボーイング社で6.08倍。
大穴12.6倍はアメリカ宇宙軍。1985年に設立され、2002年に組織改変で他部門と統合、そして2018年にトランプ大統領が再創設を表明しました。
つい先日、スペースX社の有人宇宙船が国際宇宙ステーションにドッキング成功したという記事が出ました。今回は無人での打ち上げでしたが、次は夏に有人飛行を予定しているとのこと。火星航行プランの発表が待ち遠しいですね。
Will consensus be that earth is flat by 1/1/2025?
最後は強烈なインパクトを放つ「Will consensus be that earth is flat by 1/1/2025?(2025年1月1日までに、地球は平らだと見解は一致するか?)」というオッズ。かれこれ15年近くブックメーカーに触れてきましたが、はじめて見ました。
Will consensus be that earth is flat by 1/1/2025?
はい:26.000
いいえ:1.002
地球は丸いか平たいのか?
古来より人々は、自分たちの世界の形がどうなっているのか想いを馳せ、議論を重ねてきました。いまではほぼ100%に近い人々が「地球は丸い」と考えているでしょう。ですが、そこに意義を唱える人達もごく少数ながらまだいます。「地球平面協会」というややカルト的な団体まであるほど。
2025年の時点で地球は平らだと公的に見解が一致されるか否か。既成概念に一石を投じるなら26倍のオッズへ賭けて、決して平たくはない検証の道を歩んでみてください。しかし"いいえ"のオッズが賭けても無意味ないほど固い1.002倍ですから、この議論は文字どおり丸く収まりそうです。
スポーツベッティングならぬスペースベッティングもお楽しみを
ということで、ピナクルで賭けられる3つの珍オッズをご紹介しました。このオッズは実は結構前からあったのですが、スペースX社のシャトルのニュースを見て、記録がてら記事にしておこうかと。スポーツベッティング(Sports Betting)ならぬスペースベッティング(Space Betting)まで、ブックメーカーがなんでも賭けの対象にするということの見本みたいなものですね。
なお、冒頭で触れたようにピナクルはこんな特殊な賭けが中心のサイトではありません。スポーツベッティングで稼ぐプロが好む業界内で最優良サイトの一つです。
今後もパンチの効いたオッズがあればご紹介します!!