ブックメーカーに勝つための戦略はあるのか?利益を残す工夫はあるのか?
そんな疑問をお持ちの方々に、キャッシュアウトを使わずに利益確定・損切りする方法であり、ブックメーカー間で資金を移動させる方法としても使える、ユニークなテクニックをご紹介します。
このテクニックそのものが利益を生み出せる投資法と呼べるような代物ではありません。ただ、知っておくと確実にプレーの幅は広がります。具体例を交えながら詳細をまとめました。
まだ始めたばかりの方にとっては難解な部分もありますが、プレーにうまくお役立てください。
【具体例】2つのブックメーカーのオッズに賭けて資金移動
さっそく、具体例を1つ。
サッカーJリーグの「ヴィッセル神戸vsサンフレッチェ広島」戦の試合中、アウェイのサンフレッチェが0−2でリードしている後半28分時点。
オーバーアンダー予想オッズのアンダー2.5@2倍に、bet365で215ユーロをベットしました。
そして同時に、ウィリアムヒルでオーバー2.5@1.7倍に350ユーロをベット。
オーバー・アンダー2.5:試合中の総ゴール数が3点以上ならオーバー、2点以下ならアンダーが的中
試合がこのまま0-2で終わればbet365のアンダー2.5が的中です。
しかし、この試合はライブストリーミングで観戦しながらあと1点は動くだろうという予測に基づいて、ウィリアムヒルの方で厚めに賭けています。
結果は、後半36分に期待どおりに追加点が入って0-3で終了。
ウィリアムヒルで賭けた350ユーロが的中扱いとなり、350 x 1.7倍 = 595ユーロの払い戻し。賭け金を引いて、245ユーロの利益を獲得しました。
反対に、同時にbet365で賭けていたアンダー2.5は外れているため、215ユーロは没収です。
実質的には、トータルで30ユーロがプラスとなりました。
bet365で負けてウィリアムヒルで勝つ → 結果的に資金移動
この具体例からお伝えしたいのは、30ユーロ儲かったことではありません。
結果が相反するオッズを用いて、ウィリアムヒルでの勝利によってbet365で生じる損失を吸収し、実質的にはbet365の残高をウィリアムヒルに移し変えている、という部分です。
もし0-2のまま試合が終わると、結果は反対でした。
bet365のアンダー2.5が的中し、430ユーロの払戻しによって215ユーロ儲かります。一方でウィリアムヒルの350ユーロを没収されるため、マイナス135ユーロになるところでした。
【補足】なぜこのベットを?
なぜこのようなハイリスクローリターンの賭けを実行したのか。
今回の理由は、bet365の残高をギリギリまでゼロに近づけたかったため。
bet365は、2020年7月からエコペイズで入金・出金できるようになりました。
ところが、実装当初は日本円でプレーしているユーザーしか使用できなかったため、米ドルやユーロ利用者(私はユーロ使用)は非対応のままであり、エコペイズを使うために日本円でアカウントを作り直す必要がありました。
既存アカウント閉鎖前に残金を回収する必要があったものの、国際送金は手数料も時間もかかる。そこで、この方法を用いて残金をほかのブックメーカーに移動しました。
(注)現在は、アカウント通貨がユーロやドルでもエコペイズ対応のため、いま日本円以外でプレー中の方も問題なくエコペイズで入出金できます。(アカウントの再作成不要)
不思議な表現ですが、期待どおりにbet365で負けることができ、資金移動は成功です。
複数のサイトを利用して行う「カバーベット手法」
では、今回使用したこの手法の趣旨、要点、メリット、使いどころなどをお伝えします。
まず根本から。
すでにブックメーカーでプレーしている方ならお察しかと思います。
この手法はいわゆるアービトラージの応用であり、カバーベットの変形です。
アービトラージ(Arbitrage)は、複数のブックメーカーのオッズの違いを利用する裏ワザ的な手法。勝敗予想やオーバーアンダーのように、結果が相反するオッズの組み合わせが回収率100%を超えている際に、賭け金をうまく配分すればプレイヤーが絶対に儲かる、というもの。(詳しくは当サイト内のアービトラージとは?を参照ください)
アービトラージの要点とオッズの基本
カバーベットは後述するとして、まずアービトラージの要点を2つ。
- 結果が相反するオッズに別々のブックメーカーで賭ける
- その、相反するオッズの組み合わせが還元率100%を超えた状態
極端な例を挙げます。
野球の阪神vs巨人の試合に対してAブックでは阪神勝利が3倍で、Bブックは巨人勝利が3倍なら、両方に10万円ずつ賭けるとどちらが勝っても30万円の払い戻しですよね。
使った総額は20万円ですから、試合結果にかかわらず10万円儲かります。
こんなオイシイ事例は机上の空論ですが、もっと微妙な倍率差のアービトラージはブックメーカー各社間で普通に生じている現象です。
ただし、アービトラージだけを狙う行為は各ブックメーカーがゴリゴリに禁止としており、専用ツールでアービトラージを探すプレイヤーは早々にマックスベット規制やアカウント閉鎖などの憂き目にあいます。(例外としてピナクルは容認)
ところが、上記2つの要点のうち、
複数のブックメーカーを使って結果が相反するオッズに賭ける
という行為は、べつに規制の対象ではありません。
なぜなら、そのようなことをしてもプレイヤーの得にならないし、ブックメーカーも損をしないから。
オッズには大なり小なり控除が内蔵してあります。
よって、同じタイミングで結果が相反するオッズに賭けると、必ずプレイヤー側がマイナスになります。
例えば、今回の具体例で賭けた1.7倍と2倍なら、回収率は91.892%。(当サイトの回収率計算機で算出できます)
この二つのオッズに対して、普通のアービトラージのように10万円を配分して賭けたら、オーバー・アンダーどちらの結果になっても約8千円の負けです。
やる意味がありませんね。
キャッシュアウト以前の利確&損失回避手段
ところが、目的がアービトラージで儲けることではないなら、話は別です。
複数のブックメーカーを使って結果が相反するオッズに賭けるという行為は、いろいろなメリットを生みます。
その1つは、利益確定や損失回避の手段になるということ。
ブックメーカーにキャッシュアウト機能が登場する以前は、タイミングを見極めてあとから賭けるカバーベットによってそれらをおこなっていました。
カバーベット(Cover Bet、Cover)は、スポーツベッティングの世界では意味がいくつかある用語です。
ヨーロッパでは、ある賭けに対して別の選択肢で保険的に賭けること。損失をカバーする賭け、という意味合いで使います。
アメリカではやや意味が異なり、ポイントスプレッド(ハンデ)の賭けで、自分が賭けたチームが設定されたハンデを上回って無事に勝利した際に用いられます。
例えばアメフトの試合で「ペイトリオッツ -8.5 / ビルズ +8.5」というハンデオッズがあるとします。ペイトリオッツの-8.5に賭けて試合結果が21 - 7 でペイトリオッツの勝利なら、ペイトリオッツが(ハンデを)カバーしたという表現となります。
(当ページではヨーロッパ的な意味合いで用いています)
キャッシュアウト(Cash Out)とは、賭けの最終的な決着が着く前にキャンセルできる機能。
賭けが的中しそうな流れでキャッシュアウトを使うと、配当の一部を早めに受け取ることができます。つまり利益の早期確定。
反対に、賭けが外れそうな展開時にキャッシュアウトを使うと、賭け金の一部を回収できます。つまり、早めの損切り。
例えばサッカーの勝敗予想オッズでホームチームの勝利に賭けて、期待どおりにホームが点を決めて試合が進んでいるとしましょう。
しかし、終盤でホームチームの守備の中心が負傷退場したり、相手の方が勢いを増してくると?
少し不安になりますよね。
今は、キャッシュアウト対応ブックメーカーなら上の画像のようにボタン一つで早めに利益を確定できます。昔はそのような選択肢がなかったため、悪い予感があたって相手に追いつかれて不的中で終わるなんてことが結構なあるあるでした(笑)
そんなときの不安解消策がカバーベットです。
展開が怪しくなってきた際に、ホーム勝利に賭けたブックメーカーとは別のサイトで、相反するオッズ(この事例ではドローとアウェイ勝利や、ドロー&アウェイ勝利のダブルチャンス)などにあとから賭けます。
ホームがリードしたまま試合が進んでいると、ライブベットのドローやダブルチャンスのオッズは徐々に高騰するため、賭けるタイミングによって結果として時間差によるアービトラージが成立し、どの結果になってもプラスとなる状態を作れます。
カバーベットのパターン.1 時間差アービトラージ
例えば、最初に賭けたホーム勝利オッズが2.5倍だとしましょう。
仮に後半35分の時点でドローorアウェイ勝利のDCオッズが3倍まで上がっている場合、2.5倍と3倍の組み合わせによる回収率は136.3%になります。
この136%とは、あとからこの3倍に釣り合いが取れるように賭けたら、残り10分でアウェイがゴールを決めて追いつこうがアウェイが逆転しようが、投じた資金が約1.36倍になる、という意味です。
具体的な例を。
もしもホームの2.5倍に5万円賭けていたら、3倍に4万2千円賭けると結果関係なくほぼ1.36倍です。
ホームがそのまま勝利
2.5倍 x 5万円 = 12.5万円払戻 - 5万円 - 4.2万円 = 3.3万円の儲け
(賭け金トータル9.2万円に対して実質1.358倍)
アウェイが追いついてドロー
3倍 x 4.2万円 = 12.6万円払戻 - 4.2万円 - 5万円 = 3.4万円の儲け
(賭け金トータル9.2万円に対して実質1.369倍)
アウェイが逆転勝利
3倍 x 4.2万円 = 12.6万円払戻 - 4.2万円 - 5万円 = 3.4万円の儲け
(賭け金トータル9.2万円に対して実質1.369倍)
賭け金額の関係で多少の差はありますが、あとからアービトラージのような必勝状態が出来上がり、利益が確定していますよね。
時間差アービトラージのカバーベット
時間差によるオッズの変動を利用し、賭け金の配分を調整して後付けで必勝状態にする賭け方
カバーベットのパターン.2 想定利益の一部でリスクヘッジ
もう1つ覚えておくと使えるカバーベットの手法が、偏りを持たせた損失回避です。
3倍のDCオッズに2.5万円を賭けると?
時間差アービトラージにするのではなく、シンプルにあとから3倍に2万5千円を投じてみます。
ここで賭ける2万5千円という金額は、予想的中時に得られる想定賞金の一部を反対オッズに回す、という感覚です。
もしも当初の予想どおり的中すれば、5万円 x 2.5倍 = 12.5万円 = 賭け金5万引いて7.5万円儲け、さらにDCに使った2.5万円を引いて5万円のプラスです。
アウェイに追いつかれて終了したら、あとから賭けたDCが的中です。 2.5万円 x 3倍 = 7.5万円 = 賭け金の2.5万円を引いて5万円の儲け。さらに最初に賭けていた5万円を引いてプラマイゼロ(で済む)、となります。
5万円賭けて、そのままほったらかして7.5万円を狙うか全額失うか。
あるいは、展開の怪しさを考慮して5万円の儲けか損失ゼロで済むように調整するか。
完全にアービトラージ状態にすると、必ずプラスになるものの、どの結果でも利益が小さくなってしまいます。一方、こちらは予想どおりに進むだろうという前提ありき。予想的中ならある程度儲かり、不安が当たってしまっても全損を回避できるカバーベットです。
リスクヘッジのカバーベット
時間差によるオッズの変動にあわせて、想定される利益の一部を反対オッズに賭ける
カバーベットを使用するタイミングや使用時の注意点
カバーベットの使いどころは、試合がそのまま進めば賭けが的中しそうだけれど、不安要素が生じた時。
予想に基づいてなんらかのオッズに賭け、一応は読みどおり進んでいるものの予断は許さないという状況。
スポーツ・オッズごとにその状況が異なるため説明が抽象的ですが、要するに決着前に確定させたい時に使います。
多くのサイトでキャッシュアウト機能が実装されているため、使用頻度は減ったものの、こうした賭け方はいまでも効果的です。
別々のブックメーカーのオッズが時間の経過によって結果的にアービトラージになったものに賭けたり、損失回避のカバーベットをおこなったとしても、ペナルティはありません。
反対に、同じサイト内でこれをやるとアカウントの規制リスクを高めるため絶対に控えてください。
やるならあくまで別サイトで。
例えば、ピナクル(キャッシュアウト非対応)で事前に賭けたものが外れそうな際に、ウィリアムヒルやスポーツベットアイオーなどでカバーする、という形で使用します。
また、たとえキャッシュアウト対応サイトであっても、キャッシュアウト不可のオッズや使えいないタイミングもあるため、別のブックメーカーで相反オッズをチェックしておくと、イレギュラーの対処がしやすくなります。
知っていると役立つオッズの組み合わせパターン
さらに、予備知識として以下の組み合わせも覚えておくと役立ちます。
種類が異なる、結果が相反するオッズの組み合わせ(一部)
3way 1 と DC X2
DC 1x と 3way 2
DC 12 と 3way X
AH 1(+0.5) と 3way 2
3way 1 と AH 2(+0.5)
AH 1(+1.5) と EH 2(-1)
AH 1(+2.5) と EH 2(-2)
AH 1(+3.5) と EH 2(-3)
3Way 1 と EH 2(+1)
EH 1(+1) と 3Way 2
AH 1(-0.5) と DC X2
AH 1(+1.5) と EH 2(-1)
例えば野球の勝敗予想オッズなら、ホームが勝てばビジターは負け。同じ種類のオッズなら、片方が当たればもう片方は外れという関係は明白です。
ところが、ブックメーカーのオッズは多種多様なため種類は違うけれども結果が相反関係にある組み合わせが実は15,000通り近くあります。
上記はそのなかでわかりやすいもの。
先に片方に賭けたら、もう片方がカバー要員として使えるオッズ、とでも言いましょうか。
カバーベットをするにあたって、必ず同種のオッズで相殺する必要はありません。
例に挙げた、先にホームの勝利(3way 1)に賭けて、あとからドローorアウェイ勝利(DC X2)に賭けるのも、異種のオッズによってすべての結果をカバーしています。
【重要】複数サイトを使い、損小利大を意識してトータルで儲ける
長文でまとまりのない中身になってしまいましたので、そろそろ締めますね。
当ページの冒頭でご紹介した具体例は、カバーベットのおまけ的なメリットに重きをおいたもの。
カバーベットは2つのブックメーカーのアカウントを使うため、結果に応じてそれぞれの残高が増減することになります。その関係を利用して、bet365で負けた分をウィリアムヒルで回収するという資金を移動させることにフォーカスして取り組みました。
カバーベットは本来、予想して普通に賭けたあとに利確やリスクヘッジをするために用います。
一方、今回はほぼ同時に賭けているため、1.7倍&2倍の組み合わせで還元率が91%しかありません。うまくいったからよかったものの、失敗したら資金移動できずに損失だけ残るところでした(焦)ページの途中で「カバーベットの変形」と表現したのはそのためです。(カバーベットの考えを応用していますが、カバーになっていない)
とりあえず結果オーライ。
なお、これは完全に予備知識ですが、例えば本人確認がやたらと面倒なサイトや出金に難癖をつけるようなサイト(最初からそんなところは避けたほうが良いのですが…)でたまたま儲かって資金が貯まっていたとしても、この手法を使えばそのサイトで意図的に負けて(=同時に他のサイトで回収して)、少しずつ他のサイトで賞金回収できます。
ブックメーカーでのプレーは、スポーツの結果を予想して賭けることです。
わざわざ言うことでもないですね。
でも、それは全体の半分。
- 試合前だけでなく試合中も賭けられる
- 試合中のオッズは状況に応じて変動する
- 賭けた時点の倍率で払い戻し
ブッックメーカーがこのような仕組みであり、ネット上にはいくつものサイトがあり、私たちプレイヤーはどこで賭けても構わない。だからこそ成り立つ、オッズの不均衡を利用した利益を残しやすくできる手法がいくつもあります。
時間差アービトラージやリスクヘッジのカバーベットもその一種。
つまり、スポーツの予想をすることが半分、もう半分は仕組みを理解して戦略的に立ち回ること。
両方そろうとスポーツベッティングが一層おもしろくなると思います。(ただし、冒頭で書いたようにカバーベットはあくまでもプレーの幅を広げるものです。これで儲かるわけではありません。損失回避・利益確定、そして資金移動などのメリットをもたらすオマケ的なテクニックですから、その点はご理解ください)
スポーツの予想精度を高めるための情報収集はまず大切です。さらに、そこにプラスアルファで手法を駆使して、損失を小さく利益を大きく。ネット上のブックメーカーを使ったスポーツベッティングでは、1つのサイトで儲けようとするのではなく、トータルでプラスを目指すという前提があります。1つのサイトで利益が大きく出た結果、ベット上限を下げられたり出金できなくなったりすると努力が無駄になりますので。
スポーツベッティングは投資ではありませんが、投資の世界でよく言われる損小利大の考えを、複数のブックメーカーを利用すれば取り入れることができます。
使用しているサイトがまだ1つなら、他のブックメーカーのアカウント作成もオススメします。そのほうが何倍もプレーが奥深くなりますから。すでに複数のブックメーカーを利用されているなら、予想を存分に楽しみながら、カバーベットの手法もタイミングがあればお役立てください。
少しでもプレーの参考になれば幸いです。当サイト内のこのほかの各種「勝つためのヒント」もあわせてどうぞ。