ブックメーカーを利用するなら避けては通れない、むしろスマートなプレイヤー(うまく稼げるプレイヤー)になっていくためには必ず理解しておきたい賭け方がアジアンハンディキャップ(Asian Handicap、略称AH)です。
このページでは、アジアンハンディキャップの特徴・ルール・賭け方などをまとめています。10bet、Betvictor、Pinnacleその他アジアンハンデ対応ブックメーカーにて賭ける際の参考にお役立て下さい!
アジアンハンディキャップ(Asian Handicap)とは?
アジアンハンディキャップは、サッカーの試合に用意される勝敗予想オッズの一種です。+0.5や-1.5など0.5単位のハンデ(=得点)がホームとアウェイに付けられていて、いずれかに賭けると試合終了時のスコアに、賭けたオッズのハンデの値を足し引きして勝敗を判定します。
アジアンハンデは、インドネシアをはじめアジアの賭博で使用されていたHang Cheng Bettingという賭け方が起源で、アジアンハンディキャップという言葉は1998年にジャーナリストのJoe Saumarez Smith氏が作ったと言われています。
当時はブックメーカーのオンライン化が始まった頃で、各社がサッカーベッティング市場にアジアンハンデを採用して世界中に知られるようになりました。
アジアンハンデの基礎知識・4つの特徴
まず、アジアンハンデオッズの特徴から見ていきましょう。大きくは4つのポイントがあります。
賭けにドローの選択肢がない
サッカーの基本的な勝敗予想オッズは、90分間(前半&後半)のホーム勝利・ドロー・アウェイ勝利を予想する3択のオッズ(1x2)です。これに対し、アジアンハンデオッズはドローという選択肢がありません。
ハンデが付いた、「ホームが勝つ」か「アウェイが勝つ」の2択でオッズが並びます。
整数ハンデの場合、ハンデを足してドローなら返金
アジアンハンデは-2.0、-1.5、-1.0、-0.5、0、+0.5、+1.0、+1.5、+2.0のように0.5単位でハンデが刻まれるため、0.5や1.5などの少数のハンデを現実のスコアに足し引きすると必ず勝敗が決まります。
よってドローという賭けの選択肢があらかじめないのですが、一方で+1や-2などの整数のハンデが付いたオッズに賭けた場合、試合結果によってはハンデ計算後にスコアが引き分けになることもあります。
例えば「ホームチームの-2ハンデ」に賭けたとします。もしも結果が2-0なら、ハンデを引くと0-0のドローとなってしまいます。アジアンハンデでは、このようにハンデを計算したあとにスコアが同点になった場合、賭けが無効で返金されます。賭け金の一部返金ではなく、完全に全額です。
ハンデがゼロへの賭けはドローノーベットと同じ
アジアンハンデには「ハンデゼロ」という選択肢もあります。
このオッズへ賭けると、試合結果がそのまま賭けの的中・不的中の判断材料となり、もしも試合が引分けだと賭け金は返金されます。
ブックメーカーのサッカーへの賭けには、「試合結果が引分け時は賭け金を返金する」と条件がついた勝敗予想オッズDraw No Bet(ドローノーベット、略称DNB)という賭け方があるのですが、このDNBとアジアンハンデのハンデゼロは条件がまったく同じです。にもかかわらず、オッズはほんの少し異なります。(実際に、アジアンハンデ対応のブックメーカーにてハンデゼロとDNBのオッズを見比べてみてください)
したがって、「この試合は実力が拮抗してそうだからハンデゼロに賭けようかな」と考えた際には、アジアンハンデとドローノーベットを比べてより倍率が高い方で賭けた方が、的中時に払戻しが少し多くなります。
ハンデが2つ付いたオッズ「スプリット」は賭け金が二等分
アジアンハンデには、この画像の赤枠の条件のようにハンデが2つ付いているオッズがあります。
これらはツーウェイ(2way)やスプリット(Split)と呼ばれるタイプで、賭けた場合は賭け金が自動的に二等分されて、それぞれの条件に割り振られることになります。
例えば画像の「鹿島アントラーズ 0,+0.5 @1.46倍」を選んでベットスリップに10,000円を入力すると、+0の条件に5000円、+0.5の条件に5000円賭けたという扱いになります。割り振りを自分で調整することはできず、必ず二等分です。
そのため、試合結果に応じて
両方とも的中
両方とも外れ
半分的中で半分外れ
半分的中で半分はドロー扱いの返金
などの払戻しに違いが生じます。
もしもあなたが初心者で、ブックメーカーのウェブサイトでアジアンハンデのオッズを見た時に「ややこしそうだな」と感じたなら、おそらくはこのスプリット型のハンデを目にしたからだと思います。
しかしルールは上記のとおりで、慣れてしまうとこのスプリットに一番おもしろさを感じるかもしれません。
スプリットはブックメーカーごとに表記が違う
このスプリットハンデでは、例えば0と0.5がセットになったものを、ちょうど中間の「0.25」と表記しているブックメーカーもあります。つまり、-0.25は「0と-0.5」、+1.75なら「+1.5,と+2」の条件がついていることを意味しています。
賭け間違いのないようご注意下さい。
アジアンハンデに賭けた際の事例別の計算例
ここで一度、特徴をおさらいしましょう。
アジアンハンデの特徴まとめ
- 賭けたオッズのハンデを試合結果に加算(賭けなかった方のハンデは関係なし)
- ドローの選択肢がない
- 整数ハンデに賭けた場合、ハンデ計算後に引分けなら返金
- ハンデゼロへの賭けはドローノーベットと同じ
- ハンデが2つ付いているオッズへの賭けは、賭け金二等分で計算
これらを踏まえ、いくつか計算例を挙げました。以下をクリックすると説明が表示されます。中身を見る前に一度考えてみてください。
【重要】試合中のハンデに賭けたらどうなる?
アジアンハンデは試合中の賭け(ライブベット)でも賭けることができ、試合中にその状況に合わせてハンデの数字が提示されます。
基本的なルールはここまで解説してきたことと同じなのですが、一点だけ気をつけたいことがあります。それは「試合中のハンデに対する賭けでは、賭けた時点までに動いているスコアは無視する」ということ。
つまり、賭ける直前までに2-0や1-2や3-2などスコアが動いていたとしても関係なく、賭けた時点を0-0として考え、それ以降のスコアに対してハンデを足し引きし、賭けた後から試合終了時点までの結果で的中・不的中を判断します。
例えば、前半終了時点でホームが1-0でリードしていて、このときに「ホーム-0.5」のハンデに賭けたとします。仮にそのまま試合が終わればどうなるか?
賭けてからは1点も動いていません。つまり、実際の結果は1-0でも、賭けてからは0-0です。すると-0.5を計算すると、このハンデに対する賭けは不的中となります。
もしもホームが追加点を入れて2-0(賭け以降の1-0)や、スコアが動いて3-1(賭け以降は2-1)などで試合が終わったなら的中です。一方で、もしアウェイの+0.5に賭けていたなら、1-0のまま試合が終わっても的中です。
どのブックメーカーでも試合中のハンデに対する賭けはこのように計算するので、ご注意下さい。
ライブアジアンハンデのおさらい
試合中のハンデへの賭けは、賭ける前までのスコアを無視し、賭けた時点を0-0として、そこから試合終了までのスコアで的中・不的中を判定します。
ブックメーカーごとのアジアンハンデの取扱い有無
いかがでしょうか?ここまでの解説でアジアンハンデのルールはご理解いただけましたか?
ここからは、いくつかのブックメーカーのアジアンハンデオッズの取扱いについてご紹介します。
そのそもアジアンハンデオッズは全てのブックメーカーで賭けられるわけではなく、取扱いがないブックメーカーも数多くあります。したがって、アジアンハンデに賭けたいなら対応しているブックメーカーを選んでください。
bet365のアジアンハンデオッズ
アジアンハンデオッズに賭けるならbet365は外せません。試合ごとに細かな条件の選択肢が用意されていて、予想にあわせて選べます。スプリットハンデは略称ではなく条件が両方とも書かれているので、特に迷うこともありません。
スポーツベットアイオーのアジアンハンデオッズ
スポーツベットアイオーでも試合ごとにいくつかのハンデオッズが用意されます。bet365と同じく、スプリットは両方の条件が記載されています。
ピナクルのアジアンハンデオッズ例
ピナクルも代表的なアジアンハンデ対応ブックメーカーの一つです。ただし、アジアンハンデという呼称ではなく、ハンディキャップ(Handicap)という見出しにしなっています。なお、スプリットは略称になっているので、使いはじめの頃は賭け間違えがないようご注意ください。
ピナクルは業界で最も良いオッズを付けているため、アジアンハンデに賭けるなら必ずチェックしたいブックメーカーです。
アジアンハンディキャップオッズへの賭けはなにが面白い?
通常の勝敗予想オッズへの賭けは、「どちらが勝つか、または引分けか」という単純な「結果」しか求めません。一方でアジアンハンディキャップは、試合の「内容」まで予想する賭け方と言えます。
格上・格下、有利・不利、好調・不調などの判断から、結果だけでなくスコア差まで推測する。格上のマイナスハンデを選ぶなら、「何点差で勝つだろう」と予想した差に合わせてギリギリのハンデを選ぶほど、的中時の払戻しは大きくなります。
反対に格下側のプラスハンデオッズに賭けるなら「相手も調子を落としているし、意外とドローや勝利、あるいは負けても○点差ぐらいで済むかも!?」という判断の良し悪しが的中・不的中を左右します。
冒頭でアジアンハンディキャップは「スマートなプレイヤー(うまく稼げるプレイヤー)になるためには理解しておきたい賭け方」と書いたのは、アジアンハンデに賭ける時は、このように試合そのものを深く分析するスキルが求められるからであり、またそれこそがスポーツベッティングで長期的に稼ぐための重要な要素だからです。
単純にオッズが高い・低いから判断して賭けていても、このようなスキルは身につきません。よく分析して自分の予想に合うオッズを選ぶことが、良い練習となります。賭ける前に最終スコア(またはライブベットなら、賭けたあと以降のスコア)をしっかりと予想考察し、リスクとリターンのバランスを考えながら際どいハンデを狙う。
このような、スポーツベッティングの奥深さを味わえるのがアジアンハンデの魅力です。
アジアンハンディキャップオッズ解説まとめ
ざっと駆け足でアジアンハンディキャップとは何か?を説明してきましたが、特徴・ルール・賭け方などはイメージできましたか?
勝敗予想オッズが極端に偏ったような、格上と格下がはっきりした試合は特にアジアンハンデが最適です。
例えば、「この試合は実力差が明白だから、ホームが2点差以上つけて勝ちそうだ!」と予想したなら、強気で「-1.5(2点差以上で的中)」に賭けるか、少し安全に「-1(1点差で勝った場合は返金)」にしておくか、あるいはその両方の可能性を考えて「-1.5&-1」のスプリットも良いでしょう。
反対に、拮抗することを想定して、アウェイが1点差の負けでも賭けが的中となる「アウェイ +1.5」や「アウェイ +1.5&+1」への賭けも良いかもしれません。賭けたい試合があるなら、このように考察しつつ自分の感覚を信じてオッズを選び、スポーツ予想+賭けという面白さを存分に味わってください!
ということで、アジアンハンデとはどのようなオッズなのか、このページが理解を深める参考になれば幸いです。当サイトでは結果の早見表も用意しているので合わせてお役立て下さい。